香道

日本の三大芸道と言えば、華道・茶道・香道。しかし、香道はなかなか体験する機会がないのが現実です。
香道は聞香ともいわれます。香りを嗅ぐではなく「香りを聞く」と表現されることから来ています。それは、香りが伝えるものを、心で聞き取るということなのです。
先日、名古屋にある“香源”というお香のお店で、香道を体験してきました。
香道に必要な香木。主にインドネシア・インド・ベトナムなどで採集されます。白檀・沈香・伽羅の3つが特に有名です。

白檀はサンダルウッドとも呼ばれるものです。木材自体に香油が含まれているので常温でも香ります。涼やかな甘味のある香りです。
沈香はジンチョウゲ科の樹木が傷ついた際に防御反応として樹脂を分泌し、長い年月をかけて成熟したもの。水に沈むので沈水香ともいわれます。沈香には2種類あり、温めると甘味が出るシャム、辛味が出るタニがあります。
伽羅は沈香の中で最も質が高く、希少なもののことを言います。沈香同様、温めるとよく香ります。香りは複雑で人工では作れないものです。伽羅は沈香の中でも特に樹脂分が多く、酸苦甘辛塩の五味を感じさせる最高峰の香木、「至上の宝」、「香木の王様」と言われます。
香の歴史も教えていただき、香木の香りというものが古墳時代からあったということ、時代によって異なる香りの利用法などを知ることができました。

聞香の実習は、とても静かな空間で行われました。まず、5本の縦線が描かれた紙が参加者一人一人に配られます。次に香炉で炊かれた今回使う香りを何種類か聞きます。それから5種類の香りを聞きます。5種類の内、1種類か2種類同じものがあります。その同じもの同士を線でつなげて形を作ります。これを源氏香と言います。源氏物語に出てくる遊びの一つです。

実際に、香りを聞くのはとても難しく、同じ香りがどれかということは、なかなか当てられないものでした。しかし、香を聞くという時間は、とてもゆったりと落ち着いて集中できる、貴重な時間でした。
香道を始めることはないと思いますが、いい体験ができました。

